ベッドで仮眠をとっていると船が停止.
もう着いたんかいな?とか思いながら外に出てみると,陸地は遥かかなたにしか見えず,その代わりおしゃれなヨットがすぐ近くに停まっているのが見えた.
なんじゃこりゃとか思っていると,うちの船からタグボートが出動.
さらに頭の中が???で一杯になったので,船員さんに聞いてみると,
ヨットのエンジンが壊れて立ち往生してるから,これから牽引するんだとか.
しかも,ヨットのエンジンは2日前に壊れて,うちの船を待っていたんだとか.
ありえねー.
日本じゃまずありえない.
2日間でうちの船以外その場所を通らなかったことにも驚きだけれど,危機的状況にあるわけではないにしろ2日も待たなきゃならないとか,民間の船が助けなきゃいけないとか信じられない.
というのも,BermudaにはPILOT & RESCUEという組織はあるものの,RESCUEの文字はほぼお飾りでPILOTしかやっていないため.
※PILOTとは…飛行機が空港に着陸するときに管制塔から色々指示をもらうように,船の場合はPILOTの人達と洋上で落ち合って,その人達を船の操舵室に招き入れて指示を仰ぐというもの.普通は元船長とかで凄腕の人の場合が多いため有益な指示をもらえるが,Bermudaの場合はそんな人は少なくお茶飲んでお菓子食べてるだけの人が多い.
つまり,日本で言う海上保安庁みたいに遭難している船を助けてくれる組織はないということです.
以前は米軍が駐留しており,米軍が助けていたそうですが,今では誰も積極的には助けてくれません.
おそろしや.
とりあえず,件のヨットはPILOT & RESCUEの船とおちあうまで牽引してあげて,PILOTのために来たPILOT & RESCUEの船に引き渡しました(でかい船で牽引しながら狭いところを通るのは危険なため).
これがPILOT & RESCUEの船.
日本じゃまずお目にかかれない状況にでくわし,面白い思い出が出来ました.
あと,前回書き忘れたのですが,思い出を作ろうということで,調査の際に少しお遊びを.
そこで使ったのが発泡スチロール.
発泡スチロールにみんなでコメントを書き込んで,調査機材と一緒に水深3000mまで沈めます.
海水中では,水深が10m増すごとに気圧が1あがるので,水深3000mでは約301気圧.
地上では1気圧なので,水深3000mでは全てのものに地上と比べて301倍の圧力がかかります.
ドラゴンボールで悟空がナメック星に向かう時に使っていたものでもたかだか20倍だったことを考えれば,とんでもない圧力.
そんなところに発泡スチロールを放り込んだらどうなるかというと...
上がBefore,下がAfter.
とんでもなく小さくなりました.
そんでもって,発泡スチロールのくせにめちゃくちゃ重い.
そら全体の重さがそのままで,大きさが小さくなったら,密度はあがりますからね.
もはや水に浮くことはありません.
どちらも非常にいい思い出になりました.
では.