その生物とはサカサクラゲです.
クラゲというと,水中をふわふわ浮いているやつを思い浮かべる方が多いかと思いますが,こいつはそこに沈んでいます.
しかも名前の通り,裏表逆で.
サカサクラゲと聞いて,少々スケベなことを思い浮かべた方は,少々お年をめされていると想像いたします.
このサカサクラゲは,刺胞動物門 鉢虫網 根口クラゲ目 サカサクラゲ科 サカサクラゲ属(Cassiopea)に属するクラゲさん.
属名のCassiopeaは,星座のカシオペア座が北極星の周りを後ろ向きに周ることからついたそうな.
この仲間の変わっているところは,クラゲのくせにイソギンチャク(クラゲと同じ刺胞動物門)のように反対向きでマングローブのそばの砂地に着底していることと,藻類と共生していること.
この藻類とは褐虫藻 zooxanthellaで,サンゴ(これまたクラゲと同じ刺胞動物門)と共生しているものの仲間.
褐虫藻が光合成で作りだしたものをサンゴがいただいているように,サカサクラゲも褐虫藻から光合成産物を頂戴しています.
サカサクラゲはオワンの下側(普通のクラゲにおける)の部分に褐虫藻を飼っているので,裏向きにならないと褐虫藻に光が当たらないというわけです.
イメージとしては,寝っ転がって日向ぼっこしてたら,ご飯がもらえるという感じ.
文章ばっかりでもわかりにくいので,サカサクラゲ達.
ぱっと見た感じは,変なイソギンチャクか,もしくは変なゴミ.
色が異なるのは,褐虫藻の活性の高さだとか.
褐虫藻は名前のとおり褐色をしているので,日当たり良好なサカサクラゲは褐虫藻が元気なため茶色っぽい色をしていて,日陰者はなまっちろいといった塩梅.
日当たりと色の関係が,人の日焼けみたいです.
日本にも鹿児島より南には15cmくらいまでになるサカサクラゲの仲間がいるようですが(海遊館等の水族館にもいます),Bermudaのサカサクラゲはかなり大きく,大きいものでは50~60cmくらいあるものもいました.
サカサクラゲはマングローブにいるため,下見の最中にマングローブの代表的肉食魚 Great Barracuda Sphyraena barracuda(カマスの化け物みたいなので2m近くになる)の子供を見かけました.
成魚はでかいし,やたらと近づいてきて,たまに鋭いキバだらけの口を開けてくるので,あまりお近づきになりたくありませんが,子供のうちは可愛らしく良い感じ.
一緒に写っているのはマングローブの根っこ.
マングローブ林ではこんな感じで根っこがぶらぶらしていて,いかにも魚の隠れ家に最適という感じ.
マングローブから2mも離れるとそこは海草の草原(?).
海草は昆布などの海藻と違って,その名の通り海の中にはえてる草です.
ここには普段行くサンゴの海では見ない魚が沢山.
下の方に写ってるちっちゃいのは,たぶんテンジクダイ科(持っている図鑑がサンゴの海用しかなく載っていない).
これはよく分からないが,穴ぼことハゼ科のなにか(かなり分かりにくいが,穴のちょっと右にいて右下に頭を向けている).
一瞬,穴からテッポウエビらしきのが砂を持って出てくるのが見えたため,共生しているのかも(テッポウエビとハゼの共生は興味があれば検索してみて下さい).
舞鶴の誰かさんが聞いたら大喜びしそうな話だけれど,シャコに見えないこともなかったし,たまたまハゼがそこにいただけかもしれないため今のところは保留.
写真を撮り忘れたが,2つ穴の開いたトンネル状のものも多くあったため,アマダイとかアゴアマダイとかそういう類のがいるのかも(アゴアマダイのトンネルは穴1つだったかも).
トンネルの方は突っついてみたものの,何も発見できなかったのでこれまた保留.
課題の沢山残る下見となりましたが,初めてのマングローブ林スノーケリングはかなり面白いものとなりました.
今度は魚の名前だとか穴ぼこの正体だとか明らかにしたいですね.
テンジクダイとかハゼの水中での同定は,かなり厳しいものになりそうですが...
では.
5 件のコメント:
すんごい興味深いねんけど、、、
どうにも内容が難しいねぇ。
なるべく分かりやすく書いたつもりだったけど...
すまんね.
どなへんが難しかった??
一個一個の内容は良く分かるのさ。
でも何だか全体像が見えなくて。
もわ〜んと頭の中が飽和してる感じです(笑)
やっぱ自分の目で見てないからやろうねぇ。
むむ.
いまいち分からんところが分からん笑
サカサクラゲは自分の眼で見ても,クラゲとは思わんに.
俺でも初めて海の中で見た時は,なんじゃこりゃとか思ったもんなぁ.
ホンマにいろんなヤツらがおるんやなぁ。
羨ましい。
海中にはこれまた広い世界が広がってるんやろうね。
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