先週の土曜日から今週の火曜日まで航海に行ってきました.
今回の航海は,今日まで3週間続いたMoored Observatoriesの授業の一環.
この授業で習うのは,海の中に機材を放り込んで,その機材に一定期間(1年とか)データを取りためといてもらうという海洋観測の1手法.
簡単なところでいえば,記憶装置付きの水温計を海のある深さにつるしておくとか.
この授業では,どういう素材(鉄なのかステンレスなのかとか)を使うか,どうやって海に放り込むのか,どういう構造にすると流れ等のストレスに強いかという方法論が中心でした.
こういうノウハウみたいなのは,なかなか勉強するのが難しいので非常に助かります.
それに私は車とかいじるの大好きなので,グリースの使い分けの話や,はじめて使うインチ単位の工具(日本では外車とか除けば基本的にセンチ単位)にうきうきしてみたり,工具の呼び方が日本と全然違う!と驚いてみたり,1人で盛り上がっていました.
他の人は,だからどうしたみたいな顔していましたが...
それにしても,この授業での話はとにかくスケールがでかい.
今回の航海で放り込んだ機材にしても,水深4000mくらいのところに放り込むわけだから,重りとなるアンカーも2tあるし,機材をくくりつけるワイヤーも3500mとか.
はっきり言ってめちゃくちゃお金かかっています.
授業の中では,海中の機器や小型無人潜水艦みたいなの(Glider)を通信ネットワークで繋いで,海の中に無人の一大研究拠点を作ることも近い将来可能だという話がでたり.
SFの匂いがしまくりです.
Bermudaに来て思うことの一つは,海洋学の人達はスケールがでかいなぁということです.
私が日本でやってた研究なんて,車で川まで行って,ちゃちゃっと水汲んだり,川虫取ったりするくらいなもんで.
まぁ,スケールがでかけりゃいいってもんでもないけど.
そういえば,今回の航海にはしっかりと釣り道具を持っていったのですが,シイラ(♀)を釣りあげました.
釣ったあとはもちろん,刺身とカルパッチョにして美味しく頂きました.
あと,今回の航海に参加するためにカナダから来ているかなり優秀な博士課程の院生と研究の話やら,将来の話やら出来たのも良かったです.
日本に中にいる間は海外とコネを作るそうそう容易ではなかったのに対して,今はBIOSにいるだけで世界各国の優秀な研究者がどんどん向こうからやってきてくれるなんていう,非常に恵まれた環境に身を置いているのだなということをつくづく実感します.
コネを有効に使えるように,研究者としての腕を磨いていかねば.
前回の航海と同様,頑張って働いていたらまたもやクルーから就職のお誘いがありましたが,とりあえずは研究の腕を磨いていく方向で.
そういえば,航海中に日本ではまず体験することのないことがあったので,番外編として書こうと思います.
では.
2 件のコメント:
シイラいいですね。
泳いでいる姿もすごく奇麗だし。
あいにく私が調査実習で乗船中の釣り人さんは
レベルが足りなかったらしく釣りあげられませんでした。
あ、年明けに出張で舞鶴にお邪魔してきます。w(u_u
)w
シイラは生きてる間はほんと綺麗ですよね.
特に釣りをしていて海の中に真っ青な影が見えてきた時なんて,ちょっと感動してしまいます.
ヒキも結構楽しめますし.
マンビキって呼ぶ地域もあるくらいで,いるときには固まってわんさといる魚なので,同乗の方は魚がいなかっただけかもしれませんね.
『老人と海』と同じ大西洋のシイラを釣って食べたと思うとちょっと嬉しくなります.
あのおじいちゃん(サンチャゴ)と違って,醤油もオリーブオイルも塩,コショウもあったので美味しくいただけましたし.
ちなみに釣りあげた彼女の胃の中には.まだ食べたばかりのトビウオが入っていましたよ.
出張はまさかの骨董品買い付けとかですか?笑
舞鶴楽しんできてください.
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